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コーチが確定申告で知っておくべき経費と税金の基礎知識

コーチング事業の確定申告で経費にできるもの一覧、家事按分の計算方法、青色申告の節税メリットを解説。副業コーチの20万円ルールやインボイス対応まで網羅します。

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BootCast 編集部
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コーチの確定申告を「後回し」にすると起きる3つの損失

「確定申告のことは、いつかちゃんとやろう」——そう思いながら、気づけばレシートの山を前にため息をついていませんか。コーチングの技術は磨いているのに、お金まわりは後回し。これは多くのコーチが陥る典型的なパターンです。

しかし、確定申告を後回しにするコストは想像以上に大きいものです。ここでは、コーチング事業における確定申告の放置が招く3つの具体的な損失を整理します。

経費の計上漏れで年間10万円以上を損するケースも

コーチング事業では、セッションに使うツール、学びのための書籍、認定資格の更新費用など、経費にできる支出が数多く存在します。しかし、「何が経費になるかわからない」まま申告すると、本来差し引けるはずの支出を見落とし、余分な税金を支払うことになります。

たとえば、年間の売上が400万円のコーチが、計上可能な経費のうち50万円分を見落としたとします。所得税率10%+住民税10%で計算すると、 約10万円の過払い になります。さらに個人事業税(5%)も加味すれば、損失は年間12万円を超える可能性があります。

レシートを捨ててしまった、領収書をもらい忘れた——こうした「小さな見落とし」の積み重ねが、年間で大きな損失につながるのです。

無申告・期限後申告のペナルティ

確定申告の期限(原則3月15日)を過ぎてから申告すると、本来の税額に加えてペナルティが課されます。

ペナルティ税率の目安内容
無申告加算税15〜20%期限後に自主申告した場合は5%に軽減される場合あり
延滞税年2.4〜8.7%(2025年度参考)納期限の翌日から完納日まで日割りで課される
重加算税35〜40%意図的な隠蔽・仮装と判断された場合

とくに、コーチングの収入を「雑収入だから申告不要」と誤解し、無申告のまま数年が経過するケースでは、過去に遡って追徴課税される可能性があります。税務署は近年、オンライン決済やプラットフォーム経由の取引データを活用した調査を強化しており、「少額だからバレない」という考えは通用しなくなっています。

インボイス制度の影響——コーチも無関係ではない

2023年10月に開始されたインボイス制度は、コーチング事業者にも影響を及ぼしています。

法人クライアント向けにコーチングを提供している場合、インボイス(適格請求書)を発行できないと、クライアント側で仕入税額控除ができなくなります。その結果、「インボイス非対応のコーチには依頼しにくい」と判断されるリスクがあります。

一方、個人向けのコーチングが中心であれば、直接的な影響は限定的です。自分のクライアント構成を把握したうえで、インボイス登録の要否を判断しましょう。登録する場合は消費税の申告義務も発生するため、手続きの負荷とビジネス上のメリットを天秤にかける必要があります。

コーチ業で経費にできるもの一覧と勘定科目

コーチ業で経費にできるもの一覧と勘定科目

コーチング事業の確定申告で最も重要なのが「何を経費にできるか」の知識です。経費計上の基本ルールは 「事業に直接関係する支出であること」 。この原則を押さえたうえで、コーチ特有の経費を勘定科目別に整理します。

研修費・資格取得費——スキルアップへの投資は経費になる

コーチとしてのスキル向上のための支出は、「研修費」または「教育訓練費」として経費計上できます。

支出の例勘定科目補足
ICF認定コーチ資格の取得・更新費用研修費受験料、更新料、必須CCE取得費用を含む
コーチングスクールの受講料研修費開業前の受講でも「開業費」として計上可能
スーパーバイジョン(SV)費用研修費コーチとしての品質維持に必要な支出
セミナー・勉強会の参加費研修費オンライン参加も対象
専門書籍・教材購入費新聞図書費電子書籍、オーディオブックも対象
業界カンファレンス参加費研修費交通費・宿泊費は旅費交通費として別計上

ポイント: コーチングと直接関係のない趣味的な学習は経費と認められにくいため、「事業との関連性」を説明できる状態にしておくことが大切です。

通信費・ツール利用料——オンラインコーチングの必須コスト

オンラインでコーチングを提供する場合、デジタルツールの費用は事業に不可欠な経費です。

支出の例勘定科目補足
Zoom・Google Meet 等の有料プラン通信費年払いの場合も支払い時に経費計上可
音声配信プラットフォーム利用料通信費BootCast等のサブスク費用
インターネット回線料金通信費自宅兼用の場合は家事按分が必要
マイク・ヘッドセット・ウェブカメラ消耗品費10万円未満なら一括経費。10万円以上は減価償却
クラウド会計ソフト利用料通信費 or 支払手数料freee、マネーフォワード等
ホームページのサーバー・ドメイン代通信費年額払いも支払い時に計上
予約管理ツール(Calendly等)通信費事業利用100%であれば全額経費
Canva等のデザインツール通信費SNS投稿や資料作成に使用

広告宣伝費・交際費——集客と関係構築のコスト

コーチング事業の売上を伸ばすための集客投資も、適切に経費計上できます。

支出の例勘定科目補足
SNS広告(Instagram、Facebook等)広告宣伝費広告出稿費用は全額経費
名刺・チラシの印刷代広告宣伝費デザイン外注費も含む
クライアントとの会食・カフェ代接待交際費事業上の打ち合わせ目的であること
紹介手数料・アフィリエイト報酬支払手数料紹介パートナーへの報酬
名刺交換会・異業種交流会参加費接待交際費ネットワーキング目的
Stripe・PayPal等の決済手数料支払手数料売上に対する決済プラットフォーム手数料

注意: 交際費は「誰と・何のために」を記録しておくことが税務調査の際に重要です。領収書の裏に参加者名と目的をメモする習慣をつけましょう。

家事按分の考え方——自宅兼オフィスのコーチが押さえるべきルール

コーチの多くは自宅でオンラインセッションを行っています。その場合、家賃や光熱費を 家事按分 して事業経費に計上できます。家事按分とは、プライベートと事業の両方で使用している支出を、合理的な基準で事業使用分だけ切り分ける方法です。

家賃・光熱費の按分計算

家賃の按分には主に2つの方法があります。

面積按分の計算例:

自宅の総面積60平米のうち、仕事部屋が12平米の場合:

按分率 = 12 / 60 = 20% 家賃12万円 × 20% = 月額24,000円 を地代家賃として経費計上

時間按分の計算例:

ワンルームなど専用スペースがない場合は、1日の使用時間で按分します:

1日のうち事業に使う時間: 6時間 / 24時間 = 25% 家賃8万円 × 25% = 月額20,000円 を経費計上

電気代・水道代も同様に按分できます。ただし、ガス代はコーチング事業との関連性が薄いため、計上が認められないケースが多い点に注意してください。

按分対象按分基準の例目安の按分率
家賃面積 or 時間20〜40%
電気代使用時間20〜30%
インターネット回線使用時間50〜80%
スマートフォン通信費使用割合30〜50%

通信費・スマホ代の按分パターン

インターネット回線やスマホ代は、コーチング事業との関連性が高い支出です。

インターネット回線: オンラインセッションが事業の中核であれば、50〜80%の按分率が妥当とされています。ただし、家族と共用の場合は50%程度に抑えるのが無難です。

スマートフォン: クライアントとの連絡、SNS運用、予約管理に使用している場合は30〜50%を事業使用分として計上できます。通話履歴やアプリの使用時間を根拠として記録しておくと、税務調査の際に説明しやすくなります。

按分率を決めるときのポイント: 合理的な根拠があれば税務署に認められやすくなります。「なんとなく半分」ではなく、面積・時間・使用頻度など、数値で説明できる根拠を用意しておきましょう。

白色申告 vs 青色申告——コーチにとって最適な選択は?

確定申告には「白色申告」と「青色申告」の2つの方法があり、どちらを選ぶかで節税効果に大きな差が生まれます。結論から言えば、 コーチング事業を本格的に行うなら青色申告の一択 です。

青色申告の65万円控除がもたらす具体的な節税額

青色申告の最大のメリットは 青色申告特別控除 です。e-Tax での電子申告+複式簿記であれば最大65万円、簡易簿記でも10万円の控除を受けられます。

年間売上400万円、経費100万円のコーチの場合:

項目白色申告青色申告(65万円控除)
売上400万円400万円
経費100万円100万円
青色申告特別控除0円65万円
課税所得(基礎控除48万円差引後)252万円187万円
所得税(税率10%、控除9.75万円)約15.5万円約9.0万円
住民税(10%)約25.2万円約18.7万円
個人事業税(5%、控除290万円)約1万円0円
合計税負担約41.7万円約27.7万円
差額(節税効果)約14万円

年間約14万円の節税 は、クラウド会計ソフトの年額(約1〜3万円)を差し引いても十分にお釣りが来る金額です。

青色申告特有のメリット

65万円控除以外にも、青色申告には以下のメリットがあります。

1. 青色事業専従者給与

配偶者や家族がコーチング事業を手伝っている場合、その給与を全額経費にできます。白色申告では配偶者86万円、その他の親族50万円が上限です。たとえば、配偶者に事務作業を月8万円で依頼すれば、年間96万円を経費計上できます。

2. 純損失の繰越控除

事業が赤字になった年の損失を、翌年以降3年間にわたって繰り越し、黒字と相殺できます。コーチング事業の立ち上げ期に認定資格の取得や機材購入で赤字になっても、将来の利益と相殺できるのは大きな安心材料です。

3. 少額減価償却資産の特例

30万円未満の資産を一括で経費にできます(年間合計300万円まで)。たとえば、25万円のパソコンを購入した場合、白色申告では4年間に分割して減価償却する必要がありますが、青色申告なら購入年にまとめて経費計上できます。

青色申告を始めるには: 開業届とあわせて「青色申告承認申請書」を税務署に提出します。期限は開業日から2か月以内、または適用を受けたい年の3月15日までです。クラウド会計ソフトを使えば複式簿記も自動化できるため、簿記の知識がなくても対応可能です。

コーチの確定申告を効率化する5つの実践テクニック

経費の知識を身につけたら、次は「いかに効率よく申告するか」です。コーチング事業の本分はクライアントへの価値提供であり、経理作業に時間を取られすぎるのは本末転倒です。ここでは、確定申告の作業時間を最小化する5つの実践テクニックを紹介します。

クラウド会計ソフトで記帳時間を月30分に短縮

手書きの帳簿やExcel管理から、クラウド会計ソフトに切り替えるだけで、月々の記帳時間は劇的に短縮されます。

主要クラウド会計ソフトの比較:

ソフト名月額料金(税込)特徴
freee1,628円〜スマホ操作に強い。簿記知識なしでも使いやすい
マネーフォワード クラウド確定申告1,078円〜銀行・カード連携が豊富。他サービスとの統合性が高い
やよいの青色申告 オンライン11,330円/年〜電話サポートあり。初年度無料キャンペーンあり

どのソフトも銀行口座やクレジットカードと連携し、取引を自動で取り込んで仕訳候補を提示してくれます。コーチング事業の取引パターンは比較的シンプルなので、一度設定すれば月30分程度の確認作業で記帳が完了します。

レシート管理アプリで証憑を自動整理

紙のレシートや領収書は、撮影してデジタル保存する習慣をつけましょう。2024年1月から電子帳簿保存法が本格適用され、電子取引データの電子保存が義務化されています。

おすすめの管理方法:

  • クラウド会計ソフト内蔵のスマホアプリ でレシートを撮影すると、OCRで自動読み取りされ、仕訳候補まで作成される
  • 紙のレシートは 週に1回まとめて撮影 するルーティンを決める
  • メールで届く領収書(SaaS利用料、広告費等)は 専用フォルダ に自動振り分け設定する

年間スケジュールで「直前の慌て」をなくす

確定申告は毎年の定期イベントです。以下のスケジュールに沿って進めれば、3月の直前に慌てることはありません。

時期やること所要時間の目安
1月(開業時)開業届+青色申告承認申請書を提出1時間
毎月クラウド会計ソフトで取引を確認・修正30分/月
6月・12月半期ごとの収支を振り返り、経費漏れをチェック各1時間
1月中旬年間の帳簿を締め、不明な取引を整理2〜3時間
2月上旬確定申告書を作成(クラウド会計ソフトから自動生成)1〜2時間
2月16日〜3月15日e-Taxで電子申告(65万円控除の条件)30分

年間の合計作業時間は約15〜20時間 。月平均にすると1.5時間程度です。コーチングセッション1回分の時間で、1か月の経理業務が完了する計算です。

事業用口座とプライベート口座を分ける

意外と見落とされがちですが、事業用の銀行口座とクレジットカードを分けるだけで、記帳の手間は大幅に減ります。

  • 事業用口座の取引はすべてクラウド会計ソフトに自動取り込み
  • プライベートの支出が混在しないため、仕訳の判断に迷わない
  • 税務調査の際にも、事業とプライベートの区分が明確

開業時に事業用の口座を1つ開設し、コーチング関連の入出金はすべてそこに集約する。これだけで確定申告の作業効率は格段に上がります。

判断に迷ったら税理士に単発相談する

「この支出は経費になるのか」「家事按分の割合は適切か」——判断に迷う項目は、税理士に単発で相談するのも有効な選択肢です。

顧問契約を結ぶと月額1〜3万円のコストがかかりますが、確定申告時期だけのスポット相談なら 1回3,000〜10,000円 程度で対応してくれる税理士も増えています。クラウド税理士マッチングサービス(税理士ドットコム等)を活用すれば、コーチング事業に理解のある税理士を見つけやすくなります。

年間の売上が500万円を超えてきたら、顧問契約を検討するのもよいでしょう。税理士報酬は当然ながら経費になりますし、節税効果が報酬を上回るケースも珍しくありません。

よくある質問(FAQ)——コーチの確定申告にまつわる疑問を解消

副業コーチの確定申告は必要ですか?

会社員をしながら副業でコーチングを行っている場合、年間の副業所得(収入 - 経費)が20万円を超えたら確定申告が必要です。 これは所得税法上の「20万円ルール」と呼ばれるものです。

ただし、住民税には20万円ルールの適用がないため、副業所得が20万円以下でも住民税の申告は必要です。お住まいの市区町村に確認しましょう。

副業コーチとして安定して月3万円以上の売上がある場合は、早めに開業届を提出して青色申告に切り替えることをおすすめします。副業であっても青色申告のメリットは受けられます。副業コーチとして月10万円を目指すロードマップを参考に、収益を伸ばしながら適切な税務対応を進めましょう。

コーチングスクールの受講料は経費になりますか?

開業後に受講したスクール費用は「研修費」として経費計上できます。 開業前に受講した場合は「開業費」として計上し、任意の年に償却する(好きなタイミングで経費にできる)ことが可能です。

注意が必要なのは、コーチングと直接関係のない資格(例: 趣味のワイン検定)は経費として認められにくい点です。事業との関連性を説明できるかどうかが判断基準になります。

オンラインサロン運営の売上はどう申告しますか?

オンラインサロンの月額会費収入は 「売上」 として計上します。プラットフォーム(BootCast等)経由で会費を受け取る場合、プラットフォームの手数料は「支払手数料」として経費計上できます。

計上例:

  • 月額5,000円 × メンバー50人 = 月の売上25万円
  • プラットフォーム手数料(10%)= 月25,000円を「支払手数料」として経費計上
  • 差額の22.5万円が入金額

サロン運営にかかるコンテンツ制作費、ゲスト報酬、配信ツール費用なども経費にできます。コーチングで収益化する方法で紹介しているサブスクモデルを採用している場合は、月々の収支を安定的に管理しやすいメリットがあります。

開業届を出していなくても確定申告は必要ですか?

はい、必要です。 開業届の提出と確定申告の義務は別の話です。開業届を出していなくても、事業所得がある場合は確定申告をしなければなりません。

ただし、開業届を出さないと青色申告ができないため、節税メリットを受けられません。コーチング事業を始めたら、早い段階で開業届と青色申告承認申請書を提出しましょう。

確定申告を税理士に丸投げしたほうがよいですか?

売上規模と自分の時間の価値で判断しましょう。 目安としては:

  • 年間売上300万円未満: クラウド会計ソフトで自力対応が合理的
  • 年間売上300〜800万円: スポット相談を活用しながら自力申告
  • 年間売上800万円以上: 顧問税理士を検討(法人化の判断も含む)

コーチングの価格設定を見直して単価を上げれば、税理士報酬をカバーする売上増も十分に見込めます。

まとめ——「稼ぐ力」と「守る力」の両輪でコーチングビジネスを安定させる

まとめ——「稼ぐ力」と「守る力」の両輪でコーチングビジネスを安定させる

コーチング事業の確定申告は、一度仕組みを整えてしまえば、年間15〜20時間程度で完了する業務です。この記事で解説したポイントを振り返ります。

  • 経費の見落としは直接的な損失 につながる。コーチ特有の経費(研修費、ツール利用料、家事按分)を漏れなく計上する
  • 青色申告を選択する だけで年間10万円以上の節税効果が得られる
  • クラウド会計ソフト+事業用口座 の組み合わせで記帳作業を効率化する
  • 副業コーチも20万円超の所得で確定申告が必要 。早めの開業届が節税の第一歩
  • 判断に迷ったら税理士のスポット相談 を活用する

コーチングのスキルを磨く「稼ぐ力」と、税務知識で手元に残すお金を最大化する「守る力」。この両輪が揃ってはじめて、コーチングビジネスは長期的に安定します。

まずは今日できることとして、クラウド会計ソフトの無料トライアルに登録し、事業用の支出を1つ記帳してみてください。その小さな一歩が、確定申告への不安を確実に和らげてくれるはずです。BootCast のようなプラットフォームを活用してコーチング事業の収益基盤を整えつつ、税務面の「守り」も固めていきましょう。

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